セゴビアタッチで魅力的なギターフィンガーピッキング
ギターのフィンガーピッキングはピックとは違う音色や技術で様々な魅力的な音が出ますが、それをさらに磨き上げるセゴビアタッチの話です。
フィンガーピッキングの難しさ
そもそもフィンガーピッキングはピックと違い、右手指をほぼ独立させてそれぞれの弦を弾くために、なかなか難しい技法です。慣れないうちは右手をグーパーする要領で弾いたり、ひたすらアルペジオを練習したりして慣れる必要があります。その間は特に気をつける事もなく、ただただ指を曲げて弾くということになります。
主に親指から中指まで、あるいは親指から薬指まで、たまには親指から小指まで全部を使って弾くかもしれません。これらは大抵コツコツと地道な努力によって出来るようになるもので、それがある程度出来るようになると、次の音色についても考え出すようになります。
セゴビアタッチ
いわゆるセゴビアタッチは、スペイン出身のクラシックギタリスト、あるいは当時は単にギタリストと呼ばれていたかも知れませんが、世界的に活躍したアンドレス・セゴビアのタッチがそのままセゴビアタッチと呼ばれています。彼はいくつかビデオを残していますので、もし気になる方はYouTubeで探せば出てくると思います。オススメは右肩後ろからのアングルが入っているもので、その位置が最もよく分かると思います。
彼がなぜそういう独特なタッチで弾いていたのかはっきりとは分かりませんが、おそらく音色と音量にこだわった結果でしょう。彼の弟子であるこれまた有名なジョン・ウィリアムスは、マイクを通すことでセゴビアタッチではなく普通のタッチで弾いています。好みが分かれるものだということが伺われますが、僕はこのセゴビアタッチが好きです。
やり方
普通に弾く場合は指を曲げてその運動により弦を弾きますが、セゴビアタッチは指をほとんど曲げません。指をちょっと曲がった状態で固定して、手全体をスライドすることにより弦を弾きます。これにより文字通り手先の音ではなく、より深みのある音になります。ピッキングの瞬間に右手の指先がほとんど動かないため、弦に対するピッキングの相対的な質量が増加するとも言えます。あくまでイメージの話です。
歌う場合はよく腹に力を入れると言います。それはやはり声が大きくなるだけでなく、気迫やハリといったものも滲み出るものです。それが歌だけではなく、ギターにもそういった要素を取り入れるため、指に力を入れて固定し、スライドすることでハリのある音を出すセゴビアタッチはその点で合理的なものとも言えます。
昔に穴があくほど見たセゴビアのビデオを思い出して、最近ちょっと取り入れ始めたので書いてみました。実感としてはなかなか良いんじゃないかと思っています。単純な音量だけでなく、はっきりとした演奏になっています。フィンガーピッキングをされている方の参考になりましたら幸いです。それではまた。
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