Cキーから始めるコード3兄弟とメジャー・マイナー

Cキーでのコード進行について書いていきます。Cキーは言わば基本とも言えるものですので、是非習得してください。

Cキーと他キーとの違い


コードを知るにはキーを知る必要があります。

Cキーは「ド」から始まる、#も♭もついていない、純粋素朴なドレミファソラシドですね。一番扱いやすいキーとも言えます。

ちなみにドレミファソラシドですが、これがもしシドレミファソラシやラシドレミファソラになると別のキーになってしまいます。使っている音は同じですが、全く別物です。例えば粘土に赤色を入れて白色を入れて黄色をちょっと足すとピンクっぽい色になりますが、もし黄色を最初にちょっと入れて続いて赤色と白色を入れても同じ色になります。しかし音楽ではそうではありません。これが音楽の一筋縄ではいかないところです。心に働きかける音楽では順番も重要なのです。

例えばラシドレミファソラと順番に弾くと何か暗い印象が出てきます。これはAマイナーと呼ばれるキーで、音の飛び方がCとは違うのです。Cキーは半音の階段を2212221と登っていきますが、Aマイナーは2122122と登っていくのです。結局登った階段数は同じですが、心に働きかける順番が違うのです。

もしAマイナーをAメジャー、つまりただのAにしたければラシド#レミファ#ソ#ラとすれば2212221となり、明るい印象になります。このようにメジャーとマイナーは自由自在なのです。

Cキーのコード三兄弟



昔NHKのみんなの歌で、だんご3兄弟という歌が流行りました。今度生まれ変わってくる時も同じ串でいたいと言っていたら3兄弟そろって昼寝してカピカピになるという、2拍子タンゴとだんごをもじった歌です。他にも3人揃えばなんちゃらの知恵、3本の矢なんて言ったりもします。三国志でも3兄弟が活躍しました。玄徳と関羽、張飛の3人が盃を交わして、俺たちは兄弟だなんて言うわけですね。

この3という数字ですが、コードと呼ばれる和音を構成する音も3和音です。そしてコード進行で重要なコードも3つなのです。この3つのコードをコード3兄弟と呼ぶことにします。長男と次男と三男ですが、長女と次女と三女でも良いです。とにかく3つあり、それぞれに性格が違うと言うことです。

メインはC



Cキーで最も重要なコードは何と言ってもCです。Cが無ければCキーの音楽は作れません。このCがCキーの音楽の初めになり、全体を通して何度も登場し、最後に美味しいところをかっさらって行くのです。

Cはドミソの3和音です。「ド」と「ミ」の間は半音4つ、つまり全音2つ分離れています。仮に人の腕1本を半音とすると、腕2本で全音となります。「ド」と「ミ」の間に腕が4本、つまり2人の人が両手を横に広げて横並びになっているわけです。腕4本分ということで、結構離れていることが分かります。

続いてドミソの「ミ」と「ソ」はどうでしょう。こちらは半音3つ、つまり全音1つ半離れています。「ミ」と「ソ」の間に両手を横に広げた人が1人、その隣に片腕を横に伸ばしている人がいるわけですね。腕3本分ということで、先ほどより少し距離が縮まりました。

さてドミソの間に合計4人の人が入っていました。「ド」と「ミ」の間に両手を広げた人が2人、「ミ」と「ソ」の間に両手を広げた人と、片手を伸ばした人がそれぞれ1人です。ところでこの片手だけ伸ばしている人はタロウくんと言います。今回の企画に来てくれたのは良いのですが、ずっとアイコスを吸って片手が塞がっています。

このアイコスを吸っているタロウくんにちょっと動いてもらいます。タロウくんはアイコスを吸いながら、先ほどまで「ド」と「ミ」の間にいた1人と交代しました。すると「ド」と「ミ」の間に両手を広げた人が1人と、片手を伸ばしたタロウくんとで腕3本分となりました。しかしこれでは「ド」と「ミ」との間の距離に足りません。アイコスを吸い続けたいタロウくんが足で無理やり距離を稼ごうとして、バランスを崩して倒れそうになりました。

さてタロウくんにアイコスを手放すように言ったのですが、何でも大切な人からもらったものだから手放すわけにはいかないと断られてしまいました。これではドミソのCは作れません。そこで「ミ」を一つずらします。「ミ」を腕1本分タロウくんに近づけて「レ#」にしました。これでドレ#ソになりました。

「ド」と「レ#」の間に腕3本、「レ#」と「ソ」の間に腕4本が入っています。もちろん腕は半音を表しているので、半音3と半音4の並びということになり、これはCマイナーと呼ばれています。一方C、つまりCメジャーは半音4と半音3の並びでした。この並びの違いがメジャーコードとマイナーコードとの違いです。これさえ分かれば少なくともメジャーコードとマイナーコードに関しては簡単に弾き出すことができます。

ちなみにCキーでCマイナーを使うことは滅多にありません。それは「レ#」が本来Cキーに無い音なので、そもそもメロディーに入ってこない音なのです。もちろんそれを敢えて使うなら話は別ですが、とにかく今はドミソのCだけを覚えておけば良いです。

ちゃぶ台返しのG



CキーのメインはCですが、もちろんその他にも重要な兄弟がいます。Cだけではストーリーは展開しません。北斗の拳という漫画では、ケンシロウにいつの間にかラオウとトキという兄弟がいました。それと同じく、Cにもちゃんとストーリーを組み立てる兄弟がいるのです。その1人がちゃぶ台返しのGです。

ちゃぶ台返しのGは、Cキーの3兄弟の中でCと最も離れています。Cはドミソですが、Gはソシレです。このように遠く離れた2人が出会うと、メインを張っているCに対して、Gはちゃぶ台返しを狙ってくるのです。

Cが一人で歌っていると、周りに集まってきた女性も初めはCの歌を聞いています。しかしそのうち飽きてきて離れて行ってしまいます。そこへ現れるのがCの兄弟であるGです。Gがおもむろにちゃぶ台に手をかけてひっくり返そうとするので、それを見た女性たちはヒヤヒヤハラハラさせられてその場から離れられなくなります。

しかしこれが兄弟の目論見なのです。Gがちゃぶ台をひっくり返そうとしたところへCが割って入って来ることで、女性たちは安心して再びその場に座ります。しかしCが歌っているうちに再び飽きてきて女性たちは私用事思い出しちゃったと言って席を立とうとするのですが、そこへまたまたGがちゃぶ台をひっくり返そうとするのでハラハラして女性たちはその場に残ります。。しかしまたCが割って入るため、結局女性は飽きることなく歌を聞き続けられるわけです。

このCキーにおけるGをドミナントと言います。このドミナントを混ぜることで曲を聞き続けることが出来るのです。

間に挟まれたF



さてメインのC、ちゃぶ台返しのGと紹介しましたが、3兄弟にはもう1人います。それがCとGに挟まれたFです。Fはファラドで、ちゃぶ台をひっくり返すほどの力はありませんが、ちゃぶ台を動かすぐらいの力はあります。こちらもGと並んでCをサポートする重要な柱です。

ここまででC、F、Gの3兄弟を紹介しました。この3兄弟を適当に並べるだけでもそこそこの曲っぽくなります。

コード3兄弟を操る



さていよいよCキーのコード3兄弟を操ってコード進行を組み立てたいと思います。Cはドミソ、Fはファラド、Gはソシレでした。このうちCがメインなので、まずはCから始めてみます。

C→C→F→G→C

いかがでしょうか。何かそれっぽく聞こえて何か嬉しいですね。どんどん行きましょう。

C→C→G→F→G→G→C→G→C

C→F→C→C→G→G→C→F→C

いかがでしょうか。この3コードだけでもそれなりに曲が作れることが分かります。Cキーの音だけで作れるメジャーコードはこの3つだけです。これらと他のマイナーコードも組み合わせることで、さらに本格的な曲が作れるようになります。Cキーのマイナーコードについてはまた後日書かせていただきます。それではまた。

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