ピカピカ光る泥だんごでガチンコバトル

僕の小学生時代は泥だんごや紙飛行機などが流行っていました。その中でも泥だんごを如何にして光らせるか、如何にしてバトルに勝つか奮闘していました。しまいには禁じ手も現れたりしたのですが、そんな話を書いていきます。

泥だんごの作り方



もしもスマホでそういうアプリがあれば簡単に作れるでしょうが、もしかしたら今時のお子様は泥だんごの作り方も分からないかもしれません。突然大好きなあの子に「私のために泥だんごを作って」と言われたのは良いのですが、突然道具箱からノリやらボンドやらを取り出してせっせと泥に混ぜ始めるかも知れません。さらには「光らせて」と言われたらせっせとLEDを埋め込んで太陽電池で光らせてこの子は偉大なエンジニアになると周りの大人たちが騒ぎ出してSNS上で10万回リツイートされて一躍時のお子様になるかも知れません。

そうならないためにも泥だんごの作り方について書かせていただきます。必要なものは自分の手と土と水です。これだけあればあの子のために光る泥だんごを作ってプレゼントすることができます。あと問題はその子が泥だんごを喜んで受け取ってくれるかだけなので、大したことはありません。

まず土を水で濡らし、続いて手でこねて丸くします。水が少なければ足し、多ければ絞り、丸くしていきます。飽きたらどこかに隠しておいてまた次の日こねます。もしもヒビが入ってたらまずは「すまん、俺が放っておいたから」とつぶやいて泥だんごの笑顔を確認するとおもむろに水で濡らして再び丸くします。また飽きたらどこかに隠しておくと、やがて乾いた泥だんごが出来上がります。

砂をぶっかける



泥だんごは作ったら様々な儀式を受けさせます。まずはサラスナと呼ばれるサラサラの砂をふんだんにかけて磨き上げることです。サラスナはとても貴重なもので、砂場のコンクリート部分などから採取することが出来ます。あまり1人で取りすぎると他の人の分が無くなってしまいますので注意してください。もちろん作っているのが自分だけなら好きなように使って構いません。また普通にそこらへんの砂でも結構です。

サラスナをかけて泥だんごを手の中で磨き上げていくとあら不思議、とたんにかっこよく光ってまるで宝石のように輝きだします。この時あなたは作って良かったと満足するでしょう。なお黒光りしていますが、あまりそういうことを連呼すると周りの大人たちに心配されて親にあんなこと言ってたよと連絡されるかも知れませんので、普通に光っていると言った方が無難でしょう。

これで大好きなあの子にプレゼントできる用意が出来ました。しかしやはりただ光るだけの泥だんごでは味気がありません。もっとアピールするためにここは勝ちを取りましょう。

ガチンコバトルする



泥だんごのもう1つの楽しみは他と闘わせることです。周りの友達と一緒に作って勝負しても良いですし、一人でせっせといくつか作って互いを闘わせるごっこでも構いません。昔のおじいさんたちも1人で2役の将棋をしてニヤけていたのです。

まず互いにジャンケンをして先後を決めます。負けた方は自分の泥だんごを地面に置いて激励した後セコンドポジションにつき、続いて勝った方が自分の泥だんごを下に爆撃してぶつけます。これを交代で繰り返して壊れた方が負けという実にシンプルでタフガイな勝負です。なおもし自分が丹精込めて作った泥だんごが壊れてしまっても相手を憎んではいけません。それは自分の力量不足で、次に向けてより強いものを育てることに注力すべきであり、それがガチンコ道なのです。

禁じ手その1



勝負にどうしても勝てない、いつも夕焼けが眩しくて目から涙が出るあなたにとっておきの技をお教えします。それはかつて禁じ手とされた2重泥だんごです。これはやたらめったら使ってはいけません。しかしそもそも生身で強敵と立ち向かうのが無理な話であり、あのサイヤ人ですら戦闘服を纏って数々の星で闘っていたのです。

泥だんごにさらに泥をかぶせてコーティングします。この時あまり欲張って殻が多すぎると不恰好になりますので、ほどほどにスリムさを保つと良いでしょう。その後はあたかも普通の泥だんごと同様に育ててください。これで強敵に立ち向かう準備が出来ました。

さていざ尋常にガチンコバトルです。相手はニヤニヤと自分の自慢の泥だんごを上から落とし、あなたのは壊れました。ははははまた俺様の勝ちだなと言われたらすぐさま反論してください。いやまだだ!まだ終わってない!と。そしてお好きなBGMを口ずさみながらおもむろに壊れた泥だんごを持って、あたかもゆで卵の殻をむくように取り除いてっください。するとどうでしょう、本体は相変わらずピンピンしているはずです。そこで言ってやってください。脱皮完了!バトルはこれからだ!と。

禁じ手その2



圧倒的な強さを手に入れたいあなたはセメントだんごがオススメです。誰でも出来るわけではありません。その関係のお兄さんたちに頼んで作ってもらってください。僕の小学生時代に実際にやっている人がいました。ただし難点があるとすれば、誰もバトルを受けてくれないのでただセメントだんごを持っているというステータスに浸るしか出来ない所でしょう。僕もなぜか1つもらったのですが、自慢しすぎてついに壊されたのは秘密です。

以上、泥だんごの作り方とバトルについて書いてみました。色々なことに興味を持って楽しんでいただけましたら幸いです。それではまた。

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