作詞で気になる音感とアイウエオ
歌に限らず作詞をする時は、意味ももちろんですがやはり音感も大事です。特に歌の場合は聞いた感じがものを言うので、そういったことも気になるところです。そんな音感について書いていきます。
音感と歌いやすさ聞きやすさ
音感は特に歌には重要な要素です。例えば「あああ」あるいは「おおお」と歌う場合を考えてみます。この2つはどちらも特に意味を持ちませんが、やはり何かが違う気がします。少し前にサザンオールスターズが「おおお」で始まる歌、「東京ビクトリー」を出しましたが、僕の記憶によればその後なぜかいくつかのアーティストが曲の冒頭でそのような長めのイントロっぽいのを歌うスタイルが流行りました。
さてこの2つはどちらが歌いやすいでしょう。歌いやすさで言えば断然「あああ」に軍配が上がります。何より歌っている本人が気持ちが良いです。一方で「おおお」は何か聞く人に届く印象があります。まずはこの2つの違いについて考えてみます。
母音で変わる印象
そんな「あああ」と「おおお」ですが、やはり何かが違います。一体どこがどうなっているのでしょう。僕の考えによれば、この2つは上に行くか前に行くかということが違います。つまり前者はその場に働き、後者は遠くに働きかけるということです。
例えばターザンを見てみましょう。今ターザンが遠くに仲間を見つけて手を口に添えました。っこの後遠くにいる仲間に聞こえるようにターザンの発する声はおそらく「おおお」です。これは遠くに響く音だということが分かります。
さてターザンが仲間の元へ行こうと上に手を伸ばしました。すぐさま丈夫なツルをつかみ、「あああ」と叫びながら空中を滑空します。これは自分を奮い立たせる音だと言うことが分かります。
しかし途中でツルが切れてターザンは沼に尻をつきました。早速獣がターザンを食べようとニヤニヤしながら迫ってきます。ターザンはその辺にあった棒を持って「おおお」と叫びながら獣に攻撃しました。すると獣は「あああ」と叫びながら戦意を喪失して逃げて行きました。一方ターザンは「あああ」と勝利の雄叫びを上げました。
このように「あああ」と「おおお」はそれぞれ違うことが分かります。そのためこういったことを意識することも重要でしょう。ちなみに「ううう」は僕の考えによれば「あああ」と「おおお」の中間です。さらに「いいい」と「えええ」はそのさらに中間ということになります。
作詞で音感を意識する
さてそのような音感ですが、やはり作詞する場合に意識したいものです。例えば「かならず」は「あああう」となり、「あ」が多く含まれています。このことから「かならず」は高揚感の出る言葉だと分かります。
一方で「このおもい」は「おおおおい」となり、「お」が多いことから高揚感よりもむしろ届ける言葉だと分かります。
これらの母音は作詞者の思うようにすれば良いのですが、やはり少し意識してバランスを保つことも重要でしょう。もちろんそう決まりきった事ではありませんので、作詞につまったり、何か違和感がある時などにこの母音を意識して壁を破っていただけたらと思います。それではまた。
0コメント