合唱コンクールで一番は誰か論争

当事者の小中高生にとっては現在進行形、僕のような大人にとっては懐かしい、そんな合唱コンクールで一番の功労者は誰か、ということを考えてみたいと思います。

合唱コンクールの意義



合唱コンクールは運動会などと並んで学校になくてはならない恒例の行事になってます。勉強と遊びの間に挟まれて突然やってくるわけですが、その度にため息を吐いて逃げ出そうとする人もいれば、真面目にクラスメイトをまとめようとする人がいたりする中、嫌がって消極的なふりして実は楽しんでいる人がいたりと様々です。ソプラノに行くべきか、アルトに入るべきか。男だけど声が高い人はあなたちょっとこっち来てよなんて言われてソプラノに起用されたりされなかったり、テノールとバスは基本女性禁止だったりして、やっていくわけです。

そんな中で楽器要因に回される人もいます。カスタネットを持ちながら、あなたカスタネット担当だけどしっかり歌ってねなんて言われてカスタネットを覚える上に歌まで覚えないといけなくなってカチカチ鳴らしながら汗もタラタラ歌ったりするわけです。小学生なら鍵盤ハーモニカやソプラノリコーダーが入ったりしますね。中学生はアルトリコーダー、高校生はギターなどが入ってくるでしょうか。そうやって楽器に触れたり声を出したりして音楽をやるというのは、本人たちは大変でしょうが見ている方は楽しいものです。

選曲



そんな合唱コンクールで大きな比率を占めるのが選曲でしょう。先生にしてみたら昔からある無難な曲にして出来るだけ波風立たせず楽に終わりたい、生徒にしてみたらもっと最近の曲で自分たちの好きな曲をやりたい、聞く方にしてみたらしっかり動画に収められるよう1週間前からカメラの練習をし出したりなんて様々な思惑が飛び交うわけです。中には合唱コンクールコアな人たちは腕を組みながらこの曲は表現力が求められるからどうのこうの仰ったりするわけですね。でそれを聞いた先生がよしそれにチャレンジしようなんて言い出すものだから生徒たちはええええと叫び出す一方で、よし僕たちはこの難しい曲を歌えるようになってチャンピオンを目指すんだと張り切る生徒が出たりするのは合唱コンクールの定番です。

難しい曲が良いとか表現力が求められるとか、よくNHKとかで勝ち抜いてきた団体の合唱が流れたりしますけど、そういうのが好きな方たちもおられるわけです。音楽コンクールなんかは大体こんな空気で始まってそんな空気で終わるわけですが、それをたまたま見ていた何かのスカウトさんが声をかけて、これからはコンクールのやり方は忘れてくれなんて言ったりするとかしないとか。そんな選曲事情ですが、ちゃんと話し合ってやりたい曲をしっかりすり合わせて臨みたいものです。

一番は誰か



さてそんな合唱コンクールですが、クラスメイトの皆で音楽を作り上げて、金賞を取れるクラスもあれば銀賞や銅賞のクラスもあります。みんな違ってみんな良い、それでも世の中は何かと順位づけられるものです。あの有名なアイドルでもシンガーソングライターでも営業マンでも、みんな数字でランキング化されているわけです。もちろんそのような多数決が必ずしもただ1つの正解では無いことはよく知られているところです。売上枚数が多いから良い音楽かと言えば、必ずしもそうではありません。バレンタインにたくさんチョコをもらったからと言って、それが男の価値観ではありません。おっと失礼、鼻水が出てきました。

ではそんな中で一番は誰でしょう。全体をまとめた先生でしょうか、オシャレして指揮棒を振ったあの生徒でしょうか、客席から動画をうまく撮影したあの人でしょうか。そこで重要な人を見落としてはいけません。合唱コンクールには必ずと言って良いほどあの人がいます。そう、伴奏ピアノの人です。

伴奏ピアノの人はおおむね毎日本番のために練習してきたのです。先生が恋人とニャンニャン電話してる時も、合唱担当の生徒がオニギリをパクついている時も、父兄さんがカメラのレンズをハンカチで拭いている時も、時間の合間を縫ってひたすらピアノの人は練習してきたのです。みんなで歌う合唱の中でほぼ唯一ただ1人に技術が求められ、ほぼ唯一ただ1人に完璧を求められ、ほぼ唯一ただ1人に緊張がのしかかってきたのです。そのため合唱コンクールで決して忘れないで欲しい、それがピアノ伴奏の人なのです。ぜひもっとピアノ伴奏の人に声をかけていただけたらと思います。

というわけで今回は合唱コンクールで一番は誰か、という話でした。なんだかんだでみんな時間を使って音楽をするのは良いですね。それではまた。

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